依存～愛しいキミの手～

離れた手

私は久しぶりに学校に行った。


｢あ!!」


席に着くと美奈子は目を見開き私を指差してきた。


｢あはっ、久しぶり」


私は恥ずかしさを隠すように笑って言った。


｢心配してたんだ～。真っ青になって電話で誰か殺されたとか叫びながら出て行っちゃったんだもん…大丈夫?」


美奈子が心配そうな顔で体ごとこちらを向き言った。


｢一応…。心配してくれてありがと」


私は知美とお揃いでつけたネイルを触りながら言った。


知美が行方不明になって1週間がたっていた。


美奈子はクラスや他のクラスの友達をたくさん紹介してくれた。すっかりグループのでき上がっていた学校に馴染めたのは、美奈子のおかげだ。


学校はすごく楽しかった。

…でも、知美の心配は頭から離れることなく、突然大切な親友がいなくなってしまった寂しさで、心にぽっかり穴が開いていた。


圭介の店も動揺し、色々慌ただしかったらしい。予定していた優と圭介のバースデーは予定を1ヶ月先送りにした。
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