依存~愛しいキミの手~
うちのグループも、突然店のナンバー1がいなくなり、かなり動揺していた。私と美香でオーナーや知美の店の店長に理由を話し、理解はしてもらったが、売上にかなり影響が出ることには変わりなく、ピリピリした雰囲気がしばらく続いた。


私と美香は、知美の売上分を少しでも埋めようと必死に仕事に取り組んだ。


必死に働いていないと、嫌な想像が頭を埋め尽くしてしまうから…。


圭介の誕生日は、私の作った不格好なケーキを2人で囲みお祝いしたが、流れる空気は祝福ムードではなかった。


お店で、私の初のバースデーイベントも開かれた。


こんなにたくさんの人に祝われたのは初めてで、すごく感動した。


…だけど、やっぱり知美とりょうちゃんに見てもらいたかったと言う気持ちが大きすぎて、感動と切なさが入り混じって泣きじゃくっていた。


圭介と優のバースデーイベントも予定より大幅に遅れて開かれた。


時間がたって、知美がつないでいてくれた手が離れてしまったことを段々と実感し始めた。


私16歳、圭介18歳、桜の木に新緑が芽生え爽やかな風になびく春の出来事だった…。
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