依存~愛しいキミの手~
制服が半袖に変わり、雨の続く季節になった。


私たちはいつの間にか、りょうちゃんが亡くなったことも、知美がいなくなったことも悲しいけどそれが当たり前の毎日に変わっていた。


「ねぇ、知美と連絡とれた?」


横浜の五番街を歩いている時、ゆきが聞いてきた。


ゆきの目から視線をそらすように俯き、首を横に振る。


「そっか…。あ!そうだ、茜がね」


重い空気を変えるように、ゆきが明るい話題に切り替える。


当たり前になった。りょうちゃんも知美もいないことが。


当たり前…だけど、やっぱりいつも心の中で引っかかっている。


知美はどこで何をしているんだろう…。


ぼーっとゆきの話しを右から左に流している時、携帯が震えた。


慌てて首からぶら下げてある携帯を手にとり確認する。


『美香』


肩を落とす自分にも慣れた。


「もしもし?」


落ちた気持ちを隠すように電話に出る。


「今どこ!?」


息を切らせながら叫ぶように言う美香。


「え…ハマでゆきと遊んで…」

そう言いかけた所に美香の声がかぶる。


「私今東横で横浜向かってるから、改札で待ってて!あー充電なくな…」


突然電話が切れた。


?


携帯を見つめ、美香にかけるがつながらない。
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