依存~愛しいキミの手~
「修ちゃん、りょうちゃんと中学の同級生で…」


早口で説明する美香の肩を修ちゃんが掴んだ。


「とりあえず美香落ち着け。タバコ吸いに行こうか」


そう言って、川沿いに歩き出した。


この人、りょうちゃんと知美と知り合いなんだよね…?


知美に会ったって、今どこにいるのかしってるの?


川まで歩く間、修ちゃんの背中に何度も質問を浮かべていた。


川に着き、タバコに火をつける。


「何度か会ってるんだけど、覚えて…ないかな?」


修ちゃんが私の顔を見ながら言った。


え…?何度か…?


「前センター街でりょうと一緒にいた時会ったのと、夏にクラブでも会ったよ。…それと、りょうの葬式で受付してたんだ…」


そんなに会ってたの!?


全く記憶になかった。


「俺、りょうと中学が同じだったんだ。知美ちゃんに会ったことあるのは数回だけなんだけど」


修ちゃんが俯きながら煙りを吐き出す。


「知美はどこにいるの!?」


私が聞きたかったことを、ゆきが身を乗り出して聞いた。


修ちゃんはゆきの顔を見ながら、首を横に振った。


「今はどこにいるのか分からない。俺が会ったのは、りょうの葬式の直後に羽田でなんだ」


羽…田…?
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