依存~愛しいキミの手~
「あすか、お前最近束縛しすぎ」


「だって…」


美香の家で、優に夏休みの宿題を手伝ってもらっている時叱られた。


「だってって言葉は、自分に言い訳する時使う言葉なんだよ」


シャーペンで頭をかきながら言う優。


「だってはだってだもん…。不安で仕方ないんだよ…」


子供みたいな言い訳をする私の頭を小突く。


「不安って何が不安なんだよ?圭介の態度と顔見てりゃ、あすかだって浮気なんかしてないことくらい分かるだろ?」


浮気なんか心配してない…。


不安の原因は全く違うの。


だけど、言えるわけがなかった。


「あすかもそんな束縛してたら疲れない?」


美香がお盆にジュースとお菓子を乗せ、部屋に入ってきた。


「疲れるけど…」


口を尖らせながら言葉に詰まる。


「圭介、最近疲れきった顔してるよ…。アフターに文句言ったり客のメール見たりならかわいいもんだけど、生活リズムくらい考えてあげなきゃ」


そう言いながら私の前にジュースを置いてくれた。


「あすかは何を不安に思ってんだよ?ホストしてること嫌だって圭介に言ったんだろ?」


タバコに火をつける優に頷いた。


何が不安で何が嫌かも分からないくらい、自分の中がぐちゃぐちゃになっていっていた。


1番の原因は春子さん。だけど、ホストをしてることで他の女と連絡を取り合ってることすら嫌になっていってる。


自分だって水商売してるから分かっているのに…。
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