依存~愛しいキミの手~
真っ白な光に包まれ、先の見えないほど長い階段。


私はその階段の途中に立っていた。


上に行けばいいのかな?下に行けばいいのかな?


不思議と、ここはどこなんだろうとは思わなかった。

よく分からないけど、何となく上に行ってみよう。


数段登ると、誰かに右手を引っ張られた。


振り返る前に体が宙を舞う。


落ちる!!


そう思った瞬間に白いワンピースを着た、私と同じくらいの女の子の姿が斜めに視界に入る。


逆光で顔は見えないが、笑っているのが分かった。


そのまま意識が遠のき、気がつくと黄色と言うか黄金色の世界に私は立っていた。


あまりの綺麗な色に、しばらくぼうっとしていると、だんだんと視界がはっきりしてきた。


どこまでも広がる色とりどりの花畑。


黄金色に見えたのは、数メートルの幅しかない小川だった。


その向こうではっきり見えないが人がたくさん動いている。


足を踏み出すと、体に重さを感じず地面に足がついていないような、ふわふわとした感覚だった。


体験したことはないが、無重力ってこういうことを言うんだなと納得した。
< 300 / 441 >

この作品をシェア

pagetop