依存~愛しいキミの手~

ホスト

「よーし!!歌うぞ♪まずは鈴木あみー!!」


美香が雰囲気を変えるようにテンションを上げ、冗談半分で振りをつけて当時流行っていた歌を歌い始めた。


一通り流行りの歌を歌って、丁度時間になったから外へ出た。


「うー寒っ!私もパーカー入れて。圭介でかいから2人でちょうどくらいだね(笑)」


「あははっ、今日昼間雨降って微妙に寒かったもんね」


歩いているとスーツを着てチャラチャラした人がたくさんいた。


ホストがキャッチをしてるみたい。


「ホストちょー多くね?」


歩く女の人たちの足を必死に止めるホストたちを見ながら、美香に言った。


「まぁ歌舞伎町だしまだ0時回ったばっかだからねー」


美香がピッチの時計見ながら言う。


「歌舞伎町!?え…さっき渋谷から新宿まで歩いてきたの!?私渋谷原宿以外都内って来たことないから全く分からなかった…」


「都内来たことない…って、どこに住んでんの?」


美香がパーカーに通した方の腕でタバコに火をつけた。


「あ、横浜なんだ。渋谷までなら東横で20~30分くらいかな?」


まぁ横浜駅から自宅まではさらに30分くらいかかるけど。


「ねぇ、暇なら飲んで行かない?」


数メートル歩く度にキャッチしてくるホストたち。最初は物珍しかったけど、いい加減うざく感じるようになった。
< 31 / 441 >

この作品をシェア

pagetop