依存~愛しいキミの手~

真夜中の合コン

季節は少しすぎ、Pコートとバーバリーのマフラーを身につける季節になった。


私は、相変わらず立ち直れずに薬に頼る日々が続いていた。


「今日クラブ行くんだけど一緒に行かない?」


金髪にショートの髪を、日焼けした手でボリュームを出すようにくしゅくしゅ揉みながら蘭が言った。


「いいよ、服持って来てないからハマで買ってからでいい?」


私がマフラーを巻ながら言う。


みんなでハマに行き、私服を持ってきていなかった知美と服と靴を買っていると、美奈子が聞いてきた。


「あすかも知美もバイトしてないのに何でそんな金持ってんの?」


あ…


「貯金崩してんだ」


私と知美はそう笑って言った。


知美は六本木で週末だけ働いている。あの後前の店に突然いなくなったことを謝りに行き、戻ってこいと言われたけど、歌舞伎町にいるとりょうちゃんのことを思い出してしまうからと、前から働いてみたかった六本木の店を町田さんに紹介してもらったらしい。


「羨ましい!私もバイト辞めたいよ。先輩の女がちょームカつくんだ!!」


居酒屋で働いていると言っていた蘭が、興奮気味に話してきた。


トイレで私服に着替え、ロッカーに荷物を詰め込んでクラブへ向かった。


久しぶりのクラブでかなりはっちゃけていた。
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