依存~愛しいキミの手~
みんなが自己紹介を始めていった。


何で私まで来なきゃならないの…。


目の前のチャラチャラした5人組を見て思った。


タバコに火をつけ、私は自己紹介もろくに聞かずとりあえずお腹減ったから食べて帰ろうと、頬杖つきながらメニューに視線を落とす。


チラッと左隣の知美を見ると、営業モードの笑顔だった。右隣の蘭と美奈子は楽しそうな顔をしていた。


「何ぶすっくれてんだよ~」


私の見ていたメニューが遠ざかる。


目の前に座るさっきのギャル男が自分に向けた。


タバコの煙を輪になるように吐き出した。


「できる?」


くだらない…中学生かよ…


私はタバコを上に向け上下に動かし煙を輪にした。


ギャル男が笑った。


「俺らタメだったんだねー」


「いつも年上に見られんだ」


「クラブ毎週行ってて~」


ギャル男がペラペラ話して来たけど、全てにおいて心の中で


だから何?


と思いながらタバコを吸っていた。


「けいすけさぁ~」


!!


ギャル男が友達のことを呼ぶ。


けい…すけ…


思わず見てしまった。


でもそこに私の探している圭介はいない…。


名前を聞く度に嫌でも思い出す。


私はタバコを乱暴に灰皿にこすりつけ、席を立った。
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