依存~愛しいキミの手~

男依存

バレンタイン近くの日曜日、横浜の西口で聡を待っていると、携帯が鳴った。


「悪りぃ、今日行けなくなった!」


「はぁ!?今待ってんだけど!」


「まじごめんな、じゃあな」


そう言って電話が切れた。


…ふざけんなよ…。
昨日頑張ってチョコ作って来たのに…。


手に持っている紙袋が虚しく思える。


タバコに火をつけ、イライラを落ち着けていると、私の前に影ができた。


?


見上げると、キャップをかぶりダボッとした服を着た男が立っていた。


「何してんの?」


ナンパ…。


別にタイプなわけでもない。むしろB系は嫌いだった。でも私は、聡にドタキャンされた不安と寂しさを埋めるために、その男について行ってしまった。
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