依存~愛しいキミの手~
食事を済ませ、デザートを食べている時ママが言った。


「私、あすかには期待してるの。あ、プレッシャーに感じないでね。…私が教えることがないくらいに水商売の基礎がしっかりしてるし、あすかの持つ柔らかい物腰とか仕草って身につけたくてもなかなか身につかないのよ。お客様は癒やしを求めに来る方が大半でしょ?だからあすかの柔らかい雰囲気に惹かれる人って多いと思うの」


似たようなことをどこかで言われたような…?


!!


「イッシーだ!!」


圭介にキスされて仕事に集中できなくて叱られた日、イッシーにも言われた…。


「イッシー?」


不思議そうな顔で私を見るママ。


「あ、A店で働いている時、似たようなことを担当マネージャーに言われたことがあるんです。私の持つ柔らかい雰囲気は武器になるって」


懐かしいな。


「え…ちょっと待って!?A店ってB系列よね?…イッシーってもしかして石川くん!?」


!?


「そうです!え…何で…!?」


目を丸くする私に、ママも目を丸くしながら口を開いた。


「石川くん、昔うちの店にいたのよ。それからB系列に移ったんだけど…。そっかぁ、彼マネージャーするくらい成長したんだ」


ママが口元を緩め嬉しそうに話す。


その後、イッシーの話題で盛り上がり、私は懐かしさで胸がいっぱいになった。
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