依存~愛しいキミの手~
それから季節は足早に過ぎ、2003年の元旦。


桜木町でカウントダウンを終えた私と知美と美奈子と蘭は、山下町のバーで飲んでいた。


夕方からずっと飲んでいたのもあり、珍しく知美がかなり酔っている。


「りょうに会いたい…」


カウンターに肘をつき、目を閉じながら手で額を押さえる知美。


知美がりょうちゃんに会いたいと言ったのは、それまで数回しかなかった。


驚いて知美を見つめていると、大きくため息をついた後グラスを持ち上げた。


「幸せなんかいらないから、りょうに会いたい」


そしてグラスの中身を一気に飲み干す。


知美の本音。


ずっとずっと知美もりょうちゃんに会いたいんだ…。


何で私はこの日のことを忘れていたのだろう。
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