依存~愛しいキミの手~

都内

春休み中、私は圭介と別れて以来初めて都内に来た。


知美が銀座に移り昨日から一人暮らしを始めたので、生活用品の買い出しに来たのだ。


初めて来る銀座の街にドキドキした。


「このカップかわいいねー」


「あ、本当だ!あすかの分も置いておくね」


知美がカップを2つかごに入れる。


かごの中はいっぱいだ。相変わらず衝動買いは直らない。


私と知美の両手にいっぱいの紙袋を持ち、通りの桜が見えるカフェで休憩した。


「新しいお店どう?」


私はアイスココアを混ぜながら聞いた。


「まだまだ慣れないなぁ。システムがキャバクラとは全然違うから、戸惑うことが多い。でも、すごく楽しい!!」


知美が満面の笑みで言ったので、私は安心した。


知美の部屋の片付けを手伝いに行くことになった。


ほぼ何も手付かずの部屋が、やる気を出させる。


衣装ケースを、広いウォークインクローゼットにゴロゴロ転がし運ぶ。


ふと、壁に綺麗な海の写真が飾ってあるのに気づき、思わず足を止めた。


「うわー、ちょー綺麗…」


透き通る青い海に、それと続くように広がる空。太陽の光が綺麗に海を輝かせる。
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