依存~愛しいキミの手~
見とれていると、知美が靴の箱を抱え隣に立った。


「これね、新宿の時からのお客さんがカメラマンしててくれたんだ。…りょうと行った沖縄の思い出の場所なの」


知美は中学の頃、1番最初にりょうちゃんと沖縄に旅行へ行ったと前に言っていた。


その時に浜辺のヤシの木の下に指輪を埋めたとも…。


私は知美の顔を見つめ、口元を緩ませた。


ダンボールを開け、本を本棚に並べていると、真新しい高校の卒業アルバムを見つけた。


つい最近卒業したばかりなのに、懐かしく思い開いた。


「そういえば、修学旅行沖縄行けなかったよね。」


知美が横に座って一緒に卒業アルバムを覗く。


私たちの修学旅行前、同時テロが起こった。そのことで、飛行機に乗って沖縄に行けなくなってしまい、関西方面に新幹線で行った。


「でもユニバーサル楽しかったし!」


そう笑い、手を動かし始めた。
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