依存~愛しいキミの手~
駅前の居酒屋に入り、ビールで乾杯をした。


「本当にごめんね…。勝手に何も言わず番号変えて縁切るようなことしてさ…」


綺麗に巻いてある髪をクリップでまとめ、美香は私を見て笑った。


「正直、最初はムカついたよ。ダメになるまで、何で私に相談してくれなかったのか、別れてからも相談もなしに連絡とれなくなるし…。でも時間がたつと、そんなことよりも、元気かな?今何してるかな?ってそんなことばっか考えてた(笑)」


変わらないケラケラとした笑い方。


そんな美香に安心して口元が緩む。


「てかさ、優呼んでいい!?あいつもすっごいあすかと知美のこと心配してたんだよ。知美には去年圭介が会ったみたいで、元気だったって聞いたんだけどね」


美香が優しく笑う。


「本当に心配かけてごめんね。優も呼んでくれる?」


私も優しく笑って言った。


しばらくすると優がやってきた。


ギャル男だった優は流行りのお兄系に変わっていて、時がたったのを実感した。


「あすか!!」


優は目を赤くしながら私の両手をとり笑った。


八重歯とえくぼが変わらない。


「大人っぽくなったなぁ」


そう言いながら美香の隣に座った。
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