依存~愛しいキミの手~
「充分分かってるだろうけど、2度と同じ過ちを繰り返さないと誓えるなら、会いに行ってこい」


「ありがとう…本当にありがとうございます…」


私は目に涙を溜め頭を下げた。


私の治療に理解できるよう、家族教室にも積極的に参加してくれて、色々な本も読んでいた。


気が滅入らないように、気分転換に連れ出してくれたりもした。


後から知ったけど、私が殴られた日の晩、知美の家に行き迷惑をかけたことやこれからも支えてくれと、頭を下げてくれたらしい。


ママのお店にも、お母さんと改めて謝罪に行ったとも聞いた。


私は何も知らずにオヤジにたくさん支えてもらっていた…。


「感謝してもし足りない…」


病院に行く車の中で、オヤジにそう言ったことがある。


オヤジは優しく笑って


「あすかがいつか幸せになってくれれば、それでいい。あすかの幸せな姿見たら、俺も幸せだからさ」


と、言ってくれたことがあった。


もう自分が不幸になる道は選ばないよ。


自分のためにも、周りのためにも、幸せになりたい。


そのためには、まず過去から先に進まないと…。
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