依存~愛しいキミの手~

清々しい

ファーコートを身にまとい、スクールの外に出た。


「うわっ寒いねー!!」


同じスクールに通い仲良くなった沙織が身を縮めて言う。


「冬の匂いがするね」


私が道路を走る車のライトを見て言った。


「あははっ、あすかってたまに詩人だよね~」


沙織が手に持つキャップを頭にかぶり笑う。


今日は久しぶりに平日休みをもらい、沙織とご飯を食べに行くことになっていた。


「いや~さすがに6時間は肩凝るね!あすか毎日こんな感じでしょ?すごいわぁ」


タバコをくわえ肩を反対の手で叩きながら、沙織が言った。


私は週5日5時間で組んでいた。550時間を半年でとる予定にしたら、そうなった。


「慣れちゃえば楽しいよ。疲れとかより、早くうまくなりたいし」


2人でネイルの話をしながら横浜の西口を歩く。


「あすか!」


呼ばれた先を見ると、昔付き合っていた…と言うより依存していた崇史と言う男が立っていた。


…こいつ…


すごく会いたくなかった…。


「久しぶりじゃん!今俺ら暇してたから遊ぼうよ!」
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