依存~愛しいキミの手~
ワーポーでメニューを見ている時に思い出した。


「あ!!車取りにいかなきゃ!酒飲めないや!」


私はお店に勤めるようになってすぐ免許を取った。お店で貯めたお金で夏に車を買った。


昨日スクールに遅刻しそうだったから車で行き、お店近くのパーキングに停めたが、飲んでいたからママに止められ送りで帰っていた。


「お店の方に停めてあるから、帰り送るよ」


そう私が言うと


「だいら行こうよ、湘南平!」


と、沙織が楽しそうに言った。反対に私の顔は強張る…。


「どうしたの…?」


私の顔を覗き込んで心配そうに聞いてきた。


「…私、忘れられない人がいてね、その人と3年半くらい前に湘南平に鍵かけに行ったんだ…。それ以来行ってなくて…」


私が空笑いをしながら理由を説明した。


「あすかもなんだ…。私も2年前付き合ってた人忘れられないんだよね。…同じで、湘南平で鍵かけた(笑)鍵かけると別れるってジンクス本当なんだね(笑)」


沙織が笑いながら言う。


そんなジンクス知らなかった…。


「見に行きたいなって思ったの。鍵…」


沙織がタバコの火をつけ言った。


「それ見たら前に進める気がしてさ!」





「私も見てみたい…行っちゃおうか!?」


「行っちゃおうよ!行こ行こ!」


圭介と行った時と同じようなノリで、湘南平に行くことになった。
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