依存~愛しいキミの手~

年明け

新しい年が明けた。2004年に突入。


私は知美の部屋にいた。


ワイン片手にテレビを見ながらカウントダウン。


「家でカウントダウンなんて、年食った証拠だね(笑)」


知美が笑いながらソファーで足を伸ばす。


毎年知美と一緒にカウントダウンに出かけていた。


去年は、高校のみんなでギチョウへ行った。


一昨年は、やっぱり高校のみんなで川崎大師。


その前はクラブで年明けした。


そして、初めて一緒に年明けしたのがシーパラ…。


「うちらももう二十歳になっちゃうんだねー」


私が灰皿からゆらゆらのぼる白い細い煙りを、頬杖つきながら見つめて言った。


「ゆきの子、もうすぐで生まれるよね?」


知美がソファーから起き上がり、私の隣のクッションに座って言う。


「この前地元で会ったよ。お腹すごい大きくて、腰痛いって嘆いてた(笑)楽しみだよね!出産祝い何あげようかな?」


私は頬杖ついていた体を起こし、知美の顔を見ながら満面の笑みで言った。


久しぶりの友達の妊娠報告だったし、すごい仲良い子の妊娠は初だったので、私と知美はすごく楽しみにしていた。


「あ、お酒なくなっちゃったね。買いに行こうか」


知美が立ち上がった。
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