依存～愛しいキミの手～
｢知美久しぶり!!」


｢ともさん!!」


3人が顔合わすのは、りょうちゃんが亡くなる前以来だった。


｢本当に心配かけちゃってごめんね…」


知美は申し訳なさそうに笑い、2人に謝った。


その笑顔はすごく穏やかで、優も美香もりょうちゃんの死を受け入れているんだと安心したそうだ。


知美の家につき、おでんを囲み座った。


｢本当に歩いてきたの?」


知美がビールを配りながら2人に聞いた。


｢赤坂くらいから美香が、無理無理言い出して、特許庁辺りからタクシー拾って裏道抜けてもらった(笑)」


優が美香の頭を軽く小突きながら言う。


｢こんな寒い中絶対無理だって!!つーかあったかくても無理!」


美香も笑って言った。


懐かしい2人の雰囲気…。


しばらく色々自分たちの近況を報告し合う。


窓の外が明るくなり始めた頃、優が外を眺めながら静かな声で言った。


｢3月の終わりに帰ってくるよ」


｢｢え?｣｣


知美と私の声がハモる。


優はゆっくりと振り返り、私の目を優しく見ながら言う。


｢圭介、3月の終わりに帰ってくるって。」


思考回路が止まる…。


しばらくの間呆然とした。…いや、そう感じただけで、時計の秒針がわずかに動いた時間だけだった。


そのわずかな時間の中で、私は色々なことを思い出し考えていた…。
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