依存～愛しいキミの手～

知美の気持ち

2月に入り、知美に電話をかけるが出ない。


とりあえずメールを入れておいたが、返ってくることもなかった。


どうしたんだろう…?


毎日電話やメールをしたが、一向に返ってくる気配はなく、私は不安を隠せないでいた。


前にも突然連絡が途絶えたことがある。


りょうちゃんが殺された記事が新聞に載った日。


まさか…ね…?


また突然行方不明とかないよね…?


嫌な想像しか頭に浮かばない。


今日連絡が取れなかったら明日家に行ってみよう。


そう決めて、見つめていた携帯をテーブルに置き、お風呂に入った。


お風呂を出ると、ランプが点滅している。


慌てて携帯を開くと、ゆきから子供が産まれたと言うメールだった。


小さな産まれたばかりの赤ちゃんの写真が添付され、思わず歓喜の声をもらす。


かわいいなぁ。


ゆきが産むのを決めるまで色々あった…。


ゆきの旦那は何と中学時代片思いしていた佐藤。


佐藤は大学生で、佐藤自身が悩んでいたり、親の反対があったり、ゆきもたくさん泣いた。


だけど、夏に結婚パーティーを地元のみんなで協力して挙げた時に、2人は幸せそうに寄り添いながら感謝の言葉を告げ幸せになると誓ってくれた。


あれから半年。


ついに赤ちゃんが産まれたんだ…。


2人の悩んでいる姿を見てきたからこそ、嬉しさが込み上げた。