依存~愛しいキミの手~
ずっとずっとりょうちゃんの姿探して、4年近く頑張ってきてたんだ。


「私ね、圭介くんとあすかをりょうと私に置きかえて応援してたんだ。だから、2人が会えるってなって自分は置いていかれたって言うか、不幸なのは自分だけって気持ちが強くなってたの」


知美の気持ちを考えたら簡単に分かるはずだ…。


「でね、今まで応援してたと思ってたけど、違ったんだって気づいたの。私、同じ境遇のあすかに同情してただけ。しかも、同じ痛みがあるあすかに安心感さえ抱いてたんだよ…最低だよね…」


…。


違う、知美はそんな同情や安心感だけで私を支えていたんじゃないって分かる。


知美の方が私なんかよりもずっとずっと辛かったはずなのに、いつも優しい笑顔で励ましてくれた。


離れた圭介の手の代わりに繋いでくれていたのは、確実に知美だった。


「ごめん…」


それしか言葉が出なかった。


私だってずっと側で知美を見てきたのに、支えてもらうだけで私は知美の辛さを吐き出させてあげられなかったんだ。
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