依存~愛しいキミの手~
とうとう…やっと…?
圭介の帰国の日が来た。今日の夜10時すぎに新宿に着く予定みたい。


私は昼間に苦手な高速に頑張って乗り、道や下り口を間違えながらも美香の家についた。


風花とさゆ姉は実家に帰っていていなかった。


美香と優とたわいない話しをしながら、心臓がバクバクして吐きそうなくらい緊張していた。


「圭介にあすかも来るって言ってないんだ。どんな反応するか楽しみ~」


美香が子供のいたずらするような、にんまりした笑顔で言う。


「え!?」


それを聞いて私はさらに緊張した。


私が来ること知らない…。

圭介は私がいることを知ったら、嫌な気分になったりしない?


不安と緊張が私の体中を駆け巡った。


「そろそろ出ないとな。あすかの車で行くか?」


「私あすかの運転乗ってみたい!」


そう2人に言われ、私の車に乗り優に道を教えてもらいながら新宿に向かった。


「ちょ、タンマ!!変われって…」


優が途中でそう言って車を止めさせる。


「え!?ちょう安全運転してんじゃん?」


私がそう言うと、運転席のドアを開け手招きして交代させられた。


「よく生きてうちまで来れたね…」


渋々助手席に座った私に、真顔でそう言った美香。


急ブレーキ、急発進を繰り返し、信号無視もしてたみたいだ。


全く自覚がなかったのは、2人を乗せてる緊張と、圭介に会いに行く緊張だったんだと思う。
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