依存~愛しいキミの手~
それから知美に電話をかけヨリを戻したことを報告すると、大泣きして喜んでくれた。


どれだけ知美に支えてもらっていたんだろう。本当にありがとうしか言葉がなかった。


今圭介と一緒にいることが夢のように感じていたけど、知美に話したことによって、離れていた時間が夢だったように思えた。


また圭介と同じ道を、一緒に歩けることになった実感がわき、口元を緩め電話を切った。


「そういやさ…箱…見たんだってな」


お昼ご飯を食べ終え、一服している時圭介が口を開く。


「あ…うん…本当にごめんなさい…」


気まずくて圭介の顔が見れず、タバコから立ち上る煙りを見つめながら謝った。


「責めてねーよ。俺が最初に話してれば良かったんだよ。ごめんな」


そう私の頭に手を乗せた後、ソファーから立ち上がりクローゼットを開ける。


ソファーに戻って来た圭介の手にはあの箱があった。


埃を圭介が息で吹き飛ばすと、舞い上がった後床に散らばっていった。


「これな、春子の遺品なんだ」


やっぱりそうだったんだ。


「…あすかには悪いけど、これは捨てられない…。未練は全くないし、手元に残して懐かしむとかそういう意味でもないけど…春子が残してくれた物だから…」


圭介が箱に切ない視線を向ける。
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