依存~愛しいキミの手~
圭介の目が真っ直ぐ見れなくて、何度もまばたきをしながら目が泳いでしまった。


「いいんじゃない?お前かわいいし、もしかしたら売れるかもしれねーな」


そう穏やかな口調で言った後、私の頭をなでた。


チラッと圭介の顔を確認すると、優しく笑ってくれた。


…って、今サラっとかわいいって言われなかった!?


どう言う意味のかわいいだろ…?かわいいなんて言われ慣れないからすごく恥ずかしい。


思わず下を向きそうになったけど、圭介に突っ込まれると思ってタバコを取り出した。


圭介が火をつけてくれた。タバコの先にライターの灯りが広がる。火を包み込んでいた圭介の綺麗な指先がオレンジ色に輝いた。


「顔赤け~(笑)」


私の頭をくしゃくしゃっと乱した後、肩に手を回して圭介の方に引き寄せられた。


!!


肩に回した腕で私の頭をなでるから、私は圭介の胸にもたれかかるようにくっつく大勢になっていた。


うわ、ヤバいドキドキする!


自分の胸元に手を当て、洋服をぐっと掴んだ。


「…何間抜けな顔してんだよ」


圭介が言った。


「え?」


圭介の顔を見ると、視線は私ではなくて私の後ろ側…。


後ろを振り返ると美香と優が驚いた顔をしている。私と目が合うとニヤニヤし始めた。
< 41 / 441 >

この作品をシェア

pagetop