依存~愛しいキミの手~
りょうちゃんのお墓からそんな遺書が見つかった。


実際はもっともっと長く、色々な人にたくさんの言葉を残してある。


知美の訃報の連絡をおばさんから受け、寝間着のまま圭介と美香と優と病院に駆けつけた。


霊安室の前で、おばさんとおじさんが泣きながら震える手で遺書を差し出してきた。


知美が死んだなんて信じられなくて、半信半疑のまま私は遺書に目を通した。


最初の数行を読み泣き崩れ、そこから記憶がない。


半狂乱になって泣き叫んでいたと、後から圭介に聞いた。


そんな私を見て、おばさんは落ち着いてからでいいから、最期の知美の言葉を読んであげてと、遺書をコピーし圭介に預けてくれたらしい。


記憶があるのは、自宅マンションに優と美香と茜が集まった所から。


みんな無言で泣いている中、落ち着いた…と言うより何も考えることのできない私は、圭介に渡された知美の遺書を読んだ。


心臓に鈍い痛みを感じ、喉が苦しくなった。


嘘だと思いながらも、涙が溢れ出る。


知美の言葉1つ1つが胸に突き刺さってくる感覚。


涙を拭うこともできず、全身に力を入れたまま歯をカチカチ鳴らし最後まで読み終えた。


読み終えると、体全部が震えていた。


震える手をゆっくり口に当て、小さく声にならない声を漏らすのと同時にまばたきをした。
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