依存~愛しいキミの手~
タバコを灰皿に押し付けけした。


「ドンペリゴールド入りましたぁぁ!!」


突然そう店内に響き渡る声がした。


一つの卓に続々とホストが集まる。りょうちゃんと優も席を立った。


「ドンペリコールが始まるんだよ」


ドンペリコール?


「ま、見ててみな。面白いよ」


タバコに火をつけたのと同時に薄暗かった店内が真っ暗になりミラーボールが回りだした。


それからマイクを使ったコールが流れだした。


うわぁすごい!!ちょう盛り上がって熱気がすごい!


「テンション上がるよね!」


美香が満面の笑みで言う。

私も満面の笑みで頷いた。


「圭介愛してる!!」


そう女の人の声が響くと、更に盛り上がりを見せた。


圭介が椅子の上に立ってドンペリをビンごと一気しているのが遠くに見えた。


すっご…


「やっぱり圭介の卓だったかぁ。あの人すごい太いんだよ」


太い?見えないなぁ。


軽く腰を上げて見たけど、やっぱり見えない。


「違う違う!太いって言うのは業界用語で、金持ってるって意味。あの太客、圭介のバースデーで500~600万使ったみたいだよ」


!?


500~600万!?そんな大金想像すらつかない。この世界には一晩でそんなお金使える人がたくさんいるんだろうな…。羨ましい。


そう思う反面、さっきまで近くにいた圭介が全く別の世界に住む遠い人に感じた…。
< 47 / 441 >

この作品をシェア

pagetop