依存~愛しいキミの手~
それから30分くらいしてから、圭介が戻ってきた。


圭介がいない間りょうちゃんが抜けたり他のヘルプが来たりして、面白くてお酒を飲む手が止まらなかった。


「ごめんな待たせて~」


ドカッとソファーに座り足をテーブルの下に投げ出す圭介。


ネクタイを緩め頭を背もたれの上に置き目をつむった。


「あー飲まされた…」


そう言いながらつむった目の上に手を置いた。


顔が赤くなってる。酔ってるのかな?


私は圭介の手をどけて、お絞りを乗せてあげた。


「…サンキュー…」


圭介はお絞りを手で押さえ、顔だけこっちに向けて優しく笑った。


「優しいな、お前…」


私の頬をそっとなでてきた。


ドキドキする…。酔ってるんだよね…?


「どんくらい飲まされた?」


りょうちゃんが笑いながら圭介に聞く。


「いつもと同じくらいの量なんだけど、ドンペリの後からほぼずーっと一気だったんすよ。あと他卓でのワインも効いてる…」


ホストって華やかに見えたけど大変な仕事なんだな…。
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