依存~愛しいキミの手~

美香の家



タクシーを見送りエントランスに入る。


美香の後ろを歩き、そっと自分の頭に手を置いた。


へへっ…


口元が緩む。


「あすかおいでー」


美香がオートロックの鍵を回しながら呼んだ。


エレベーターに乗って7階。まだ朝早いため人の気配がない。


美香がドアに鍵をさしこみ開けると、玄関には靴がいくつか並んでいた。


ビーチサンダルに小さな子供の靴。靴箱の上には子供の写真が飾ってある。


「うちね、アニキ夫婦とその子供が同居してんだ」


不思議そうに子供の靴と写真を見ていた私に気づいたのか、美香が説明してくれた。


「おじゃましまーす」


小声で言って、なるべく物音立てないように歩いた。


「ここでてきとーにくつろいでて。飲み物持ってくるから」


ドアを開けて中に入ると、美香らしいギャル部屋だった。
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