依存~愛しいキミの手~

ハチ公前

家を出て渋谷に行ったが、買い物もすぐに終わりいつものベンチに座って、学校でのことを考えていた時だった。


「ねぇ、あんたよくここにいるよね?」


声のする方を見ると、女の子が立っていた。


その子は隣に座り、日焼けした指でタバコに火をつけ一口吸うと同時に私を見た。


レモンスカッシュのような色に白と黒のメッシュが入ったロングの髪をかきあげながら、


「私もほぼ毎日来てるから良くみかけんだよね。待ち合わせ…ではなさそうだよね」


何?この子…


そう思いながら見ていると、察したのか


「あ、前から何してんのか気になってたんだ。怪しい勧誘とかじゃないよ~」


と、大きな目を細めて笑った。


その笑顔がわいくて、女の子に対して初めて胸が高鳴った。


「とりあえず…吸う?」


と、タバコの箱を向けてきたので1本もらい、火をつける。


煙を深く吸い込み、吐き出しながら周りに目を向けた。


「面白くない?」


そう言って女の子に視線を移した。


「人間観察」


「あぁ~」


膝を手で叩き理解した動作を見せ、人懐っこい笑顔を見せる。


「確かに色んな人いるからね」


笑った顔が本当にかわいいなぁと思いながら


「あとさ、こんだけざわついてると逆に考え事とか集中できるんだよね。」


そう言うと、目を見開いて

「それはないない」


と手を顔の前で振った。
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