依存~愛しいキミの手~
しばらく談笑しながら食べていると、


「あ、もうすぐ時間になる。ここ電波入らないからでようか」


と、圭介がタバコを灰皿に押し付けて言った。


お会計で半分支払おうとすると断られた。


「昨日のパスタもホストもおごってもらっちゃったのに悪いよ」


外に出てから私が言うと


「女に金出させられるわけねーだろ」


と、デコピンしてきた。


「でも…」


「じゃあ明日デートして。それでチャラ」


圭介が笑いながら歩きだした。


デート!?冗談…だよね?


「あ、明日は昼から塾のテストがあるんだ…」


「何時頃終わる?迎え行くよ」


と、圭介が優しく笑った。


「3時くらいかな?…あ、でも私横浜に住んでるんだよ!」


圭介の目が大きく開いた。

「横浜!?…横浜かぁ。俺、桜木町行ってみたいんだ。決まりな!」


そう言って私の手をつかみ指を絡ませてきた。


ねぇ、そんな笑顔でこんな風にされたら…期待しちゃうよ…。


期待…しちゃってもいい?
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