依存~愛しいキミの手~
「終わった?」


私と美香の書いた紙を見ながら、いくつか質問されて、時給やシステムの話になった。


提示された時給の高さに驚いた。


名前も、源氏を使わず本名でやることにした。源氏を使うと、お互いポロッと本名を呼んでしまいそうだから。


勤務時間は21~5時。私は家が遠いので基本的に金曜土曜の週2回勤務。平日出る場合は21~1時、1回の送り代が店から横浜の自宅まで2千円と言われた。


面接が終わり、私たちについてくれる担当マネージャーを紹介された。


「初めまして、石川です。町田さんから紹介された子何人か育ててきたけど、みんなすごく伸びて売れっ子になってるから頑張って。町田さんに声かけられたなら自信持って大丈夫だよ」


石川さん…後にイッシーと呼ぶようになるんだけど、彼は私たちと年も近く、すごく親近感のある人だった。


店長とイッシーが町田さんに挨拶をして、町田さんは

「頑張れよ」

と、だけ残し帰って行った。


イッシーに案内され、控え室に通される。


控え室はヘアセットのブースと、その隣にロッカーが何列か並び、着替えするスペースの脇に色とりどりのドレスやアクセサリーが置いてあった。
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