依存~愛しいキミの手~
「こっちがキャストの私物で、こっちが貸し出し用。貸し出し用からドレス選ぼうか」


そう言われ、美香とドレスを選ぶ。


うわーすごい綺麗!


ドレスなんて今まで着たことも手に取ることもなかったから、すごく楽しかった。


美香は白く右側が膝上くらいで左側はくるぶしまであるデザインのドレスを選び、私は赤いカクテルドレスを選んだ。…と言うか、薄いピンクを選んだら、イッシーに肌が白いからハッキリした色の方が栄えると言われ赤にした。


10センチはありそうなスパンコールで飾られたピンヒールも借りた。


「これストッキングね。今日は店持ちだけど、次回からは自前で用意して。じゃあ俺外出てるから着替え終わったら呼んで」


イッシーが出て言ったのを確認し、美香とため息をついた。


「私今まで何回か体入行ったけど、ここまで豪華な店初めてでちょう緊張した!!…私絶対浮くよね…!?」


美香が鏡を見ながら髪を触って言う。


「でも面接通ったんだから、ガングロギャルいるんじゃない?」


私が笑いながら言って着替えを始めた。


「あ…」


ブラ紐取れないやつだから見えちゃう…。


私が鏡を見て気にしていたら


「こうやって紐中にしまっちゃえばいいんだよ」


と美香が教えてくれた。履きなれないストッキングにピンヒール、初めて着たロングドレス。


不安いっぱいの中に、ワクワクしてきている自分がいた。
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