依存～愛しいキミの手～
「じゃあさっそく席着いてみようか?」


イッシーが私の前に来て言った。


え!?もう!?


「あのお客様はレイカちゃんって言う子を指名してるんだ。だから、ヘルプに入ってもらうことになるから。すごく慣れて優しいお客様だから大丈夫」


イッシーがそう説明してくれた。


席まで歩いて行く間、すっごく緊張していた。


今からでも、やっぱりやめますって言ったらだめかな!?


そんなことを考えてるうちに、テーブルまでついてしまった。


「失礼します。こちら本日体験入店のあすかさんです。レイカさんと武田さんの席ならいい勉強になると思いまして」


イッシーが片膝をつきながら説明する。


「よ、よろしくお願いします!」


と、緊張でどもりながら私は頭を下げた。


レイカさんも武田さんも笑って席に着くことを了承する。


「あすかちゃん何飲む?」


レイカさんが優しく笑いながら聞いてきてくれた。


「あ…基本的に何でも飲めるんで。今お2人が飲んでいるのと同じの頂きます」


そう言うと、レイカさんが慣れた手つきで水割りを作ってくれた。


「いただきます」


乾杯の時はグラスは下…。


何回も確認したマニュアルを思い出しながら乾杯をして一口飲むと、すごく薄かった。


…レイカさんの気遣いだ!


私が思わずレイカさんを見るとニコっと微笑む。


えっと…まず、席についたらテーブルの片付け…。


レイカさんが綺麗にしているから片付ける所がなかった…。


何か仕事しなきゃと焦っていると、武田さんが水割りを飲み干しグラスが空になった。
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