依存~愛しいキミの手~
うわっ、緊張してきたっ!!


バッグに筆箱を閉まっていると携帯が震えた。


『圭介』


画面に表示された文字を見て、さらに緊張が増す。


軽く深呼吸しながら電話に出た。


「あ、テスト終わった?」


「うん。つ、ついさっき終わったよ」


「今さ、駅前にいるんだけど………」


圭介が黙り込む。


?


「やっほー!!邪魔しちゃってごめんねぇ」


!!


「ゆ、優!?」


「そ。なんかこいつらもついて来ちゃってさ。そういうわけだから、駅前の回転ドアの前で待ってるな」


美香と優も一緒と聞いて緊張がとけた。


はぁー良かったぁ。


私は急いで塾をでて、駅の裏側から階段を下り、駅構内を通り抜けて3人が待つ回転ドアの前に着いた。


「こいつらも来るってうるさくて、おかげで下道から来るハメになったよ」


ヘルメットをくるくる回す圭介が、優と美香を顎で差した。


「だって桜木町って聞いたら行ってみたくなっちゃったんだもん」


美香が舌をペロッと出して言う。


「テストどうだった?昨日結構飲んだんだろ?」


優がタバコを吸いながら言った。


「んー、ちょっとヤバいかも(笑)最近塾あまり行ってなかったからさ」


私が頭を掻いて言う。
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