依存~愛しいキミの手~
エスカレーター横のベンチに腰をおろした。


「これあげる」


心臓をバクバクさせながら、冷静なフリをして圭介にさっき買ったストラップを1つ渡した。


「え?なんで?」


驚く圭介。


「昨日のお礼。…って安物だけど(笑)しかも私と色違い(笑)」


「ありがとう」


そう言って、携帯につけ始める。


圭介が笑ってくれた…。


迷惑じゃないかなとか、すごい色々考えて不安だったからホッとしたのと同時に、胸がきゅんと高鳴った。


緩む口元を隠せずに、ストラップをつけた。


「ペアだね(笑)」


携帯を隣に並べ、気持ちのままの笑顔を圭介に見せる。


圭介が頭をなでて笑う。


人の行き交うエスカレーターを眺めながら、私は心が満たされていった。
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