依存~愛しいキミの手~
どちらからともなく、自然と圭介と手をつなぐ。


「あの向こうは何があんの?」


足元に見える1つ下の階。ガラスの自動ドアが忙しそうに開いたり閉じたりしている。


「クイーンズって言う建物。服屋が多いよ」


私が答えた時、つないだ手の間に置かれていた携帯が鳴った。


美香からだ。


「待たせてごめんねー。今終わったよ」


「じゃあ今からそっち行くね」


と、電話を切って圭介に伝えた。エスカレーターを降りてTIFFANYの前にいる優と美香の元へ行った。


「いいのあった??」


そう私が聞いたら


「うん。でも、お互い水商売だからペアリングはつけられないから、ペアブレスにした」


そう言って紙袋を軽く持ち上げた。


ペアブレスかぁ。何か新鮮。


「念願叶ってよかったな、ペア物」


優の肩に手をかけながら、美香を見て圭介が笑った。


美香も優もすごく嬉しそうで、私も何か嬉しくなった。
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