依存~愛しいキミの手~

ぎゅっ?

その後クイーンズや他のお店を見て回り、コスモワールド、臨港パークなど、桜木町の定番スポットを案内し、日が落ちたのでランドマークタワーの展望台へ行くことにした。


エレベーターに乗ったら、


「耳がつまるっ」


と、みんな騒いでいた。


ランドマークタワーに登ったのは3回目。


ランドマークタワーができた時家族で来たのと、小学生の時に社会科見学で来た。


地元だからこそなのか、別に登りたいと思ったこともなかった。


だから、友達と来るのも夜景を眺めるのも初めて。


ランドマークタワーからの夜景は、想像以上にすごく綺麗だった…。


「サンシャインのは良く行くけど、こっちはもっと高いから全然違う…すごい綺麗…」


美香が夜景に見とれて優といい雰囲気になっていたので、私と圭介は離れた。


「あすかはギチョウでどこが1番好きなの?」


圭介が窓に反射する私に聞いた。


「臨港パーク!」


即答した。


広い芝生が広がり、前には海が見える。海沿いの遊歩道は段差があって座って海を眺められるようになっている。臨港パークの外れには、子供が水遊びできるような人工の川があり、バラエティー番組で有名になった橋もかかっている。


「暖かい日にね、あの川で足いれて寝るのがちょー気持ちいいの。1人で来る時もあるよ」


窓に映る私が満面の笑みを浮かべている。


「じゃあ夏になったら行こうな」


先の約束ができた…。


それがすごく嬉しくて、景色を眺めるふりをしながら、窓に反射する圭介を見つめた。


色んな色が輝く夜景の中に圭介が浮かぶ。


なんだか、圭介がそのまま吸い込まれていきそうな、不思議な感覚があった。


「何チラチラ見てんだよ(笑)」


私の頭をぐしゃぐしゃっとしながら圭介が笑った。
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