12月のひまわり
「伸びたね、プリンになってるよ」
自分の髪を手ぐしで直しながら絢香はクスクスと笑っている
少し長めの髪に指を絡めながら上目で自分の髪を見上げた
「あ~絢香…明日買って来ておいて」
お使いを頼むと少し眉をひそめながらも"いいよ"と答えてくれた
"ありがとう"と笑いながらまた絢香の髪をくしゃくしゃに撫でると
やっぱりまた眉を潜めながら顔を膨らませている
そんな絢香に笑っていると
ローテーブルの上のダイレクトメールが視界に入る
何気なく手に取ると殆どが親父に宛てだったけれど…
ふと一枚の封筒に目が止まった
"日比谷 暁様"と流れるような字体で書かれている
裏面を見るとそこには
"紺野 理恵子"