12月のひまわり
『キョウ~っ』
蝉と波の音の中
男女の声が響き渡っている
『ねぇこの後二人でどっか行こうよぉ』
甘い声を出した女が俺の首に腕を巻きつけてくる
海水で濡れた胸を押し付けるように躰を密着させてきた
『あとでね』
適当に笑顔で返事をすると女は"嬉しい"とばかりに
グロスで艶めいた唇を引き上げた
…名前も知らない女だけどね
こんな風に毎日ただ名前の知らない女と寝ては遊んでいた
俺に絡んでくる女に気も留めずに、冷えた身体を温めようと目線を浜に向けると…
一人の女が目に入った