12月のひまわり


真っ白のワンピースに身を包んで

細い足で真っ直ぐ海に向かってくる


呆然と女を見ていると目も暮れず海にどんどん入っていく

サンダルも服も濡れるのなんて構いもせずに沖に沖に…




ハッとした時には胸まで浸かってしまっていた



『きゃっ』


絡んでいた女を無理やり引き剥がして、もう一人の女の方に向かった




『おいっ!何してんだよ!?』



声を掛けても聞こえないのかこちらを向く素振りも見せない


女の腕を掴もうと手を伸ばし

もうちょっとの所で女が消えた



『おいっ!』


足が付かなくなったのか、それとも波に呑まれたのかすっぽりと

身体が水中に引きずり込まれたようだった



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