12月のひまわり
手紙
---カタンッ---
赤いポストに軽い音が微かに響いた
「これで67通目かぁ…」
蒼が濃くなった空に呟いた言葉が空気に溶けていく
(どうか届きますように…)
祈りを込めてポストに手を合わせる
"はぁ"とため息を吐いてから
青々と茂っている街路樹の歩道を歩き始めた
毎月恒例となった月末の手紙
返信のない手紙を書き続けて
もう5年にもなった
夏に向かっていく空を見ていると
カノジョと出会った頃を鮮明に思い出させる
ふと駅前のフラワーショップの
"黄色"が目に入って足を止めた