12月のひまわり

夢に見た家族




オヤジのいる家に居たくもないし

絢香を居させたくもなかったので、取りあえず車に乗り込んだ




『凛湖なんかごめんな…醜いもの見せちゃって…』



後部座席にいる凛湖に向かって自嘲的な笑みを浮かべ

なるべく明るく言う



『……』


その言葉に凛湖は、眉を潜め哀しそうな顔をする



『…いいんです。それより絢香ちゃんの手当てしないと…』



凛湖は最後の方ではいつものように目を細め微笑んでくれた



なぜかちょっとだけホっとして絢香に視線を向ける


さっきよりも頬が赤くなってきていた




たぶん泣いている所為もあるけど


どうしようか…手当てする場所がないな




車の中は狭いしな…


< 47 / 55 >

この作品をシェア

pagetop