12月のひまわり



『すいません…おじゃまします』


一度、頭を下げてから上がらせて貰う


絢香を下ろすと、イヤイヤする様に俺の後ろに隠れてしまった



『すいません…人見知りで』


『いいのよぉ、凛湖もそうだったから気にしないで』



ニッコリと微笑むと、床に膝を立て絢香に微笑みかける



『絢香ちゃん、こんちにわ。』


『……』


困ったように俺を見上げる絢香を、前に差し出すように少し押し出す



『ほら絢香"こんにちは"は?』



『…こんにちは』


普段"母親"というモノに慣れていない絢香は小さい声で"こんにちは"をする



凛湖の母親は"どうぞ"とリビングに手招きをした


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