12月のひまわり


『いいのよ、ウチには"父親"はいないから…

絢香ちゃんにとっても、少し時間を置いた方がいいと思うのよ』


母親はふと視線を絢香にやり微笑む


『絢香ちゃん、今日おばちゃんと一緒に寝よう?』


優しく微笑む凛湖の母親をじっと見てから、絢香は俺に視線を寄こした


『絢香、どうする?今日ここにお泊りする?』


しばらくすると絢香が"コクン"と頷く



『よしっじゃおばちゃん頑張ってお夕飯作るからね』


『すいません…』


『謝らないで、なんだか息子と娘が増えたみたいで嬉しいわ』


目を細め、少女の様に微笑む母親


< 52 / 55 >

この作品をシェア

pagetop