12月のひまわり
『じゃあ二階、案内しますね』
なるべく音を立てないように二階へと上がっていく
『どうぞここなんですけど…』
"パチン"と音と共に光が差し込む
部屋の中には天井まで届くぐらいの本棚があり
ぎっしりと本が詰まっている
『今は使ってないから、ちょっとホコリ臭いですね』
少し困ったように笑う凛湖
たしかに使われていないのか、ホコリと本独特の香りがしている
『ここは元、書斎だったんです』
『亡くなったお父さんの?』
凛湖はちょっと驚いたように振り返った
『お母さんから聞きました?』
『うん』