12月のひまわり
「そうだ…さっきね、龍司さんから電話あったよ。あとで来るって」
ダリアの花束を花瓶に活けながら絢香が声を上げた
「何しに来るんだか…」
ため息を付きながらソファに腰を下ろした
「何って仕事でしょ」
絢香はクスクスと笑いながらお茶を入れてくれる
テーブルの上に"コトン"と小さな音が響く
---ピンポーン---
噂をすれば何とやら…
どうやら龍司が来たらしい
「はーいっ」
動かない俺を見て"もうっ"と少し膨れた絢香が迎えに行く
玄関の方からはやっぱり龍司の声が聞こえてくる