12月のひまわり
嘘臭い微笑みを浮かべてこちらを見ている
俺はイラストでメシを食っている
龍司は俺の担当者で、10年来の悪友だ
今は黒髪でスーツを着ていると真面目そうに見えるけど
昔は赤毛で毎日違う女を連れていた
まぁ女グセの悪さだけは今も残っているが…
「はいっ龍司さんどうぞ」
紅茶を入れ終えた絢香がケーキと一緒に持ってきた
「ありがと~絢香ちゃんもいっぱい食べてね」
「ーーーっゴホ」
龍司が絢香の頭をポンポンと撫でる
その姿を見て飲んでいた紅茶が咽てしまった
「おいっ」
絢香がキッチンに戻っていくのを見送ってから龍司を睨み上げた
「絢香に手出すなよ」