隣の甘々彼氏 -甘すぎる危険な毎日-
でも、みんな外側しか見てない。
前川の外側だけしか見てないのに…前川が好きとか言って…そんなのおかしいよ…。
前川も可哀想…。
中身を見て“好き”って思ってくれる人がいないんだ…。
「よし、正解。じゃあ次ここ」
「え!?まだやるの!?」
「数学は問題やらなねぇと」
「うっ…はい…」
あたしは前川が書いた問題を解き始めた。
これは…こうかな…?
すると―――…
「…素直だな」
「え?」
素直?なにが?
「素直っていうか、大野って普段そっけないじゃん?女子にも水野以外には結構冷たいし」
「あぁ…うん、まぁ。ああいう女子って苦手なんだもん。前川のせいで!!前川がドアの傍で止まるから迷惑なの!!」
「俺だって好きでドアの傍で止まったりしてるんじゃねぇし。女子が通してくれねぇんだよ」
「モテると大変ですねぇ―っ」
「ホントだよ」
…完全に認めたよ、この人。
まぁ、あれだけモテればさすがに自覚するかぁ。