隣の甘々彼氏 -甘すぎる危険な毎日-
すると前川は何か言いたげな……でもどこか寂しそうに笑った。
なんでそんな…悲しそうな顔するの?
「…そろそろ帰るか」
「え?もう?」
「時間見てみな?」
ケータイを開くと、時間はすでに午後7時を過ぎていた。
「もうこんな時間!?」
「あぁ。明日も勉強する?教えるけど」
「じゃあ…お願いします…」
窓から外を見ると辺りは真暗。
「え―…どうしよう…」
「なにが?」
「あたし…暗いの苦手なの…」
「…送ってこっか?」
「え!?」
…送ってくれるの?
「いいの!?」
「まぁ…家どこ?」
「えと…あっち…」
「俺もあっちだから…方向は一緒」
「前川って徒歩?」
「俺は自転車」
「あたし徒歩なんだぁ…」
「二人乗りしてけば早いな」
「でも悪いよ…あたしもこれから自転車にしよっかな」
「ダメ」
「へ?」
なんであたし拒否されるの…?
「ダメだから。徒歩で来て」
「でも…元々遠いし…」
「明日から送ってくから」